こんなタイトルでありつつ、これ実は先日の学園祭OB会での話。OB会自体の記事とは焦点が違うからあえて分けて書いてます。
学園祭委員会の大先輩にIT業界に勤めてる方がいます(記事を書く便宜上、Kさんとします)。Kさんはオレとは歳がけっこう離れてるから一緒に祭をやったことはなくて、面識もなかったんだけど、オレが大学3年で就職活動を始めようとしてた時にオレがIT業界を志望してることを知って、飲みの席をわざわざ設けていろいろ話をしてくれた方です。SIerのことなんかほとんど知らない後輩に一生懸命話をしてくれて、あの時オレは完全に"憧れの人"を見る目をしてたと思います(笑)。
そのKさんとOB会の夜、ほぼ4年ぶりに再会しました。オレが大学を卒業してどこに就職したかは伝えてあったんだけど、その宴席で転職したことを初めて伝えました(ちなみにKさんは大学卒業してからずっと同じ会社に勤め続けています)。
するともちろん転職のワケを聞いてくるわけで、それを伝えたところ...座敷で飲んでたんだけど、Kさん、オレの膝に手を乗せてうなずきながら「わかる!すっごいよくわかるよ、その気持ち」。4年前はあんなに遠かった憧れの先輩と同じ悩みを持てたことが実はかなりうれしかったです(笑)。
そのKさんも共感してくれたオレの転職理由は(このひとつだけじゃないけど)、SIer(顧客企業にITを導入する会社です)って持ってるソリューションに限りがあるんです。どこだってそうなんだけど、A社はA社のソリューションしか売ることができなくて、内心実は「このお客さんにはB社の製品の方がいいと思うんだけどなー」なんて思ってても、それはお客さんの前で口に出しちゃいけない。A社の仕事がB社に持ってかれてしまって、結局は自分@A社の首を絞めることにつながりかねないから。
オレは前職でこのジレンマをすごく感じてて、「本当にこの製品を入れることがこのお客さんの幸せにつながるのか?もっと他に適した製品があるんじゃないか?うちじゃ扱えないけど」って思いながら仕事をしてたこともありました(告白)。要は「お客さんのために仕事してるのか」、それとも「ただ自社の利益を上げるために仕事をしてるのか」わからなくなったと。もしかしたら「営業ってそんなもんだよ。アパレルの店員だって、似合ってない服を手に取った客に対して、営業成績を上げるために『お似合いですよ』って言って売るじゃんか」って、人は言うかもしれない(もちろん似合ってなかったら「似合ってない」ってちゃんと指摘してくれる店員さんもいっぱいいると思います。あくまでも例です)。でもオレはそういう風に諦めたくなくて...本当にお客さんのためになる仕事がしたくて、会社を、というか業界を変わりました。(前職のベテランマネジャーに↑の悩みを打ち明けたら「forza55のやりたいことは、きっとSIerじゃどこ行ってもできないだろうね」って言われました。オレもきっとそうだと思う。背中を押してくれたマネジャーに感謝。)
今の会社なら、少なくとも今まで見てきた感じだとこのジレンマからは解放されて仕事をできそうだと思ってます。ベンダー(SIer)の枠にもとらわれず、オーバースペックなものも売らない(IT導入でよくあるのが、お客さんが「この機能があればいい」って言ってるのに「うちの製品ならその機能はもちろん、こんなこともこんなこともできますよ」って言って、オーバースペックなものを高く売ってしまうケース。別にそう言う営業マンは悪気があってそういうことをしてるわけじゃなくて、ただその会社がそのオーバースペック製品しか扱ってないだけ)。
せっかく環境を手に入れたわけだし、本当にお客さんのためになることをすべく、日々がんばります。マジで。
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